【4月10日 AFP】米ラップ歌手のDMXさん(本名アール・シモンズ、Earl Simmons)が9日、ニューヨーク州ホワイトプレーンズ(White Plains)の病院で死去した。50歳。

 代理人が発表した遺族の声明によると、シモンズさんは心臓発作で倒れて1週間近く生命維持装置につながれていたが、病院で近親者に見守られながら亡くなった。遺族は「アールは最後まで闘い抜いた闘士だった」と述べた。

 シモンズさんは詩の内容が過激で硬派なハードコア・ヒップホップと呼ばれるジャンルで活躍。米国のストリート事情や自らの苦悩を鋭く荒々しいラップで表現した。1990年代後半から2000年代前半にかけて「X Gon' Give It To Ya」や「Party Up」などのヒット曲で一時代を築いた。

 幼少期に虐待を受けて育ったシモンズさんは、少年時代の大半を更正施設を出入りして過ごし、14歳のころから悩まされ始めた依存症は生涯ついて回った。高い芸術性が認められ世界的に有名になった後も、薬物所持、動物虐待、無謀運転、養育費の未払い、脱税などでたびたび事件を起こしていた。(c)AFP/Maggy DONALDSON