【4月10日 AFP】スペイン1部リーグの試合で、バレンシア(Valencia CF)のMFムクタル・ディアカビ(Mouctar Diakhaby)がカディス(Cadiz CF)のカラ(Juan Torres Ruiz 'Cala')から人種差別的発言を受けたとされる疑惑について、スペインプロサッカーリーグ機構(LFP)は9日、証拠は何も見つからなかったと明らかにした。

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 4日に行われた問題の試合では、前半にカラと激しく口論したディアカビが人種差別の被害を訴えてフィールドから去り、バレンシアのチームメートも同選手に連帯を示してピッチを後にした。スペイン1部のチームがこうした抗議行動に出たのは、これが初めてだった。

 その後、バレンシアの選手たちが引き返して試合は再開された。同クラブの主張によると、戻らなければ処分を科されると言われたという。試合はハーフタイムに交代したカラが不在の中で、カディスが2-1で勝利した。

 リーグ側はこの試合に関して外部に調査を依頼し、テレビ映像や録音音声、さらにソーシャルメディアの素材などを分析したという。

 国内のラジオ局カデナ・コペ(Cadena Cope)は、カラがディアカビに向かって「ちくしょう、うせろ」と言い放った後、「すまない、怒らないでくれ」と謝っている音声をマイクで拾ったとしている。だが、調査ではカラが人種差別的な言葉を使った証拠は何も見つからなかったと伝えている。

 スペイン国内で大々的に報道されている今回の件については、規律問題に関する最終的な決定権を持つスペインサッカー連盟(RFEF)が、今後裁定を下すことになっている。(c)AFP