【4月10日 AFP】昨年8月に行われた自転車ロードレースのツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)で、生命を脅かす高速クラッシュに見舞われたファビオ・ヤコブセン(Fabio Jakobsen、オランダ)が、11日開幕のツアー・オブ・ターキー(Tour of Turkey 2021)に備えている中で、一日一日を大切に生きていると話した。

 8か月前にポーランドで開催されたツール・ド・ポローニュ(Tour de Pologne 2020)での集団スプリント中、時速80キロで走っていたヤコブセンは同胞のディラン・フルーネヴェーヘン(Dylan Groenewegen)に押しやられると、フェンスを飛び越えて標識に突っ込み、ほぼ全ての歯を失ったほか頭部の複数箇所を骨折。その後、数回にわたって顔面の再建手術を受けた。

 24歳のヤコブセンが数日間にわたって生死の境をさまよったこの事故をめぐっては、所属するドゥクーニンク・クイックステップ(Deceuninck Quick Step)の代表が、フルーネヴェーヘンを刑務所行きにすべきだと主張。同じスピードで落車したフルーネヴェーヘンは、国際自転車競技連合(UCI)から9か月の出場停止処分を受け、5月から競技に復帰できることになっている。

 スペインでの合宿で調子を取り戻してきたヤコブセンは、チームのウェブサイトに投稿された動画で、「再び自転車に乗ることができて、とてもうれしい」と喜び、「レースに出場するという最初の目標はかなえられた。次は勝利を目指していく」と意気込んだ。

 また、プロ自転車選手としてチームメートと練習し、仲間と食事など当たり前のことをできることに喜びを感じると話し、「だけど何よりも最高なのは、いろいろなことがあった中で、まだサイクリングが大好きだということだ」と付け加えた。(c)AFP