【4月6日 AFP】アイスランドで2週間前から続く噴火で5日、新しく開いた亀裂から溶岩が噴出し始めたことがテレビ映像で確認された。

 アイスランド気象庁(IMO)によると、5日正午(日本時間同日午後9時)ごろに開いた新たな亀裂は全長約200メートル。最初に噴火が起きたゲルディンガダールル(Geldingadalur)の谷から1キロほど離れている。

 国営放送RUVが中継したライブ映像では、地面にしみ出した少量のマグマが煙を上げている様子が映し出された。新しい溶岩流は、メラルタリル(Merardalir)と呼ばれる別の谷に流れ込んでいる。

 アイスランドの市民保護当局が公開した映像によると、マグマは新しい亀裂から数百メートルにわたって細長く流れ、一帯は噴煙に包まれている。

 ファグラダールスフィヤットル(Fagradalsfjall)山周辺の噴火について、アイスランドの専門家らは当初、短期間で終わると考えていたが、現在では数週間以上続く可能性があるとみている。

 火山学者のトールバルズル・トーロッドセン(Thorvaldur Thordarson)氏はAFPの取材に対し、「溶岩は当初、秒速10メートルほどで急斜面を流れていたが、現在はかなり減速している」と述べた。さらに、「しばらくはこの状態が続くだろう」と語ったが、どれくらいの期間続くかについては触れなかった。

 3月19日に噴火が始まって以来、一帯には見物客が押し寄せ、観光当局によると、4日までに3万6293人が訪れた。現地では、二つの小さなクレーターから流出した溶岩が約30ヘクタールを覆っている。

 IMOによると、当局は警戒措置として噴火地帯を封鎖し、観光客の避難を開始した。気象局によると、避難が完了したことがヘリコプターで確認された。現在、亀裂を調査するために科学者らが現地へ向かっている。(c)AFP