【4月6日 AFP】スペインプロサッカーリーグ機構(LFP)のハビエル・テバス(Javier Tebas)会長は5日、前日に行われた同1部リーグの第29節で、バレンシア(Valencia CF)のMFムクタル・ディアカビ(Mouctar Diakhaby)がカディス(Cadiz CF)のカラ(Juan Torres Ruiz 'Cala')から人種差別的発言を受けたとされる疑惑について、リーグ側は調査を進めていると認めた。

 テバス会長はスペインのテレビ局モビスター(Movistar)に対し「試合の映像と写真を用いた内部調査をすでに行っている。何が起きたかを明らかにしなければならない」とコメントした。

「バレンシア選手の行動に目を向ければ、何かが起きたのは分かる」

 カラと激しく口論したディアカビはピッチを後にし、バレンシアの他の選手も抗議のために前半の途中でそれに続き、4日の試合は中断となった。しかし、バレンシアのハビ・ガルシア(Javier Gracia Carlos)監督は、プレーしなければ処分を受けると告げられたと明かしており、試合は後に再開された。

 テバス会長は「バレンシアは審判の決定に従わねばならない」と述べた上で、「審判が何も耳にしなかったのは明白。もし聞いていたら、間違いなく試合を中断していただろうから。バレンシアの行動は、審判の指示に従った上でのもの」と続けた。

 審判のダビド・メディエ・ヒメネス(David Medie Jimenez)氏が記したこの試合の報告書によれば、ディアカビはカラに黒人を揶揄(やゆ)する言葉を使われたと主張したものの、その発言に「審判団の誰も気づかなかった」という。

 カディスは6日の記者会見にカラが出席し、この件に関する見解を示すと発表している。

 バレンシアは5日午後、チームの練習場でディアカビの後ろにトップチームの選手とスタッフが立っている映像を公開した。

 この映像の中で選手やスタッフは手で止まれのジェスチャーをしており、ディアカビがガルシア監督と言葉をかわしたり、チームメートに抱擁されたりする様子も収められていた。

 バレンシアは投稿の中で「きょうもあすもこれからも人種差別をやめよう」と記し、「何が起きたかを明らかにして選手を守り、人種差別を根絶するために、われわれは最後まで闘い続ける」と続けた。(c)AFP/Thomas ALLNUTT