【4月4日 AFP】新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期になっていた19-20シーズンのスペイン国王杯(Copa del Rey 2019-20)決勝が3日に行われ、レアル・ソシエダ(Real Sociedad)が1-0でアスレティック・ビルバオ(Athletic Bilbao)に勝利し、3回目のタイトルを獲得した。

 同じバスク(Basque)自治州の名門2クラブ同士のダービーとしては、過去最大の一戦となった決勝で、ソシエダは14歳からクラブに在籍する主将のミケル・オヤルサバル(Mikel Oyarzabal)が決勝のPKを決めた。

 両チーム共に明らかな決定機がない競り合った展開の中で、それでも優勢だったソシエダは一度きりのチャンスをものにし、最後にはトロフィーを掲げた。

 涙のオヤルサバルは試合後、「信じられない日だ」と話し、「みんなのことを覚えている。ここに来たかったであろうみんな、クラブを離れていった人たちのことをね。この勝利をそうしたみんなと僕の家族、友人にささげる。全てと言っていいほどの意味がある優勝だ」と続けた。

 ソシエダは34年ぶり3回目の国王杯のタイトル獲得となった。一方、24回目の優勝を阻まれたビルバオは、今季の大会の決勝にも勝ち進んでおり、リオネル・メッシ(Lionel Messi)を擁するFCバルセロナ(FC Barcelona)との17日の試合までに立て直しを求められている。

 ビルバオのマルセリーノ・ガルシア・トラル(Marcelino Garcia Toral)監督は「失望はないが悲しい」と嘆き、「選手は打ちのめされているが、ここから奮起する必要がある」とコメントした。

 この決勝では、先発22人のうち18人がバスク地方の生まれで、その多くが現所属クラブのユース出身だった。オヤルサバルもその一人で、ギプスコア(Gipuzkoa)出身の同選手は14歳でソシエダの下部組織に加入し、主将を務めるまでになっている。

 またこの試合は、ファンを入れて行いたいという希望のもと、できる限り開催が延期されてきたが、最終的にはバスクからほぼ1000キロ離れた南部セビリア(Seville)のエスタディオ・ラ・カルトゥーハ(Estadio La Cartuja)で、約350人のゲストと記者の他は無観客で行われた。(c)AFP/Thomas ALLNUTT