【4月2日 AFP】(写真追加、更新)台湾東部の花蓮(Hualien)近郊のトンネルで2日午前9時半(日本時間同10時半)ごろ、多数の乗客を乗せた列車が脱線した。台湾鉄路管理局(TRA)によると、少なくとも50人が死亡、146人が病院に搬送された。死者にはフランス人1人が、負傷者には日本人2人とマカオ住民1人がそれぞれ含まれる。台湾で起きた鉄道事故としてはここ数十年で最悪のものとなった。

 脱線した列車は8両編成で、清明節(Tomb Sweeping Festival)の4連休で台北から南東部の台東(Taitung)へ向かう約480人を乗せていた。当局によると、線路脇の土手の上から工事車両が転落し、トンネルに入る直前の列車に衝突したことにより事故は起きた。

 台湾鉄路管理局によると、工事車両の運転手は駐車時にパーキングブレーキを十分にかけていなかったとみられる。現地メディアが撮影した写真には、脱線した列車のそばに黄色い車両の後部が写っている。

 現地紙・聯合報(UDN)のウェブサイトに掲載されたトンネル内の写真からは、先頭車両の前部が粉砕され変形しているのが確認できる。8両のうち少なくとも2両は無傷だった。

 現場では、救助隊が数時間にわたりトンネル内に閉じ込められた人の救出に当たった。当局は、同日午後には車両内に残された人はいないことが確認されたと説明。だがAFP記者らによれば、夜になっても現場には数十人の救助隊が残っている。

 避難した乗客の女性は「いきなり激しく揺れたと思ったら、床に投げ出された」と証言。他の乗客と共に「窓を壊して屋根に上がり、外に出た」とUDNに語った。

 蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は、台北に設置された緊急対策本部を訪れ、事故原因の徹底調査を表明した。(c)AFP/Amber WANG