【4月2日 AFP】韓国の首都ソウル特別市政府は1日、2032年の夏季五輪を北朝鮮の首都平壌と共同開催する案を、国際オリンピック委員会(IOC)に正式に通知した。韓国の聯合(Yonhap)ニュースが報じた。

 IOCは2月、オーストラリアのブリスベン(Brisbane)を優先候補地に選定し、同国の招致組織と「的を絞った対話」に入ると発表していた。

 しかしソウル特別市政府は1日、IOCに対し、南北共同開催案の再検討を要請。聯合ニュースはソウルの提案について、共同開催による和平構築の可能性や、「最先端技術と韓国文化の融合」を強調するものだと伝えた。

 南北共同開催は、2018年9月に韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党総書記が開いた南北首脳会談で合意されていた。

 南北関係はこのところ冷え込んでおり、北朝鮮は韓国側の提案について公式見解を出していない。

 南北両国は2年以上にわたり正式な対話を行っていない。金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-Jong)党副部長は今週、北朝鮮のミサイル実験を批判した文大統領を「米国に飼われたオウム」と呼び批判した。

 韓国は2018年に平昌冬季五輪を開催し、南北合同チームが統一旗を手に行進した。北朝鮮は五輪を開催したことがない。(c)AFP