【4月1日 AFP】「銀行強盗」をテーマにした、いたずら動画で訴追された双子の米人気ユーチューバーが3月31日、不当監禁罪で有罪を認めた。問題の動画では、何の罪もない米配車サービス「ウーバー(Uber)」のドライバーが警察に銃を突き付けられ、一時身柄を拘束される事態が起きていた。

 カリフォルニア州を拠点とするアラン・ストークス(Alan Stokes)、アレックス・ストークス(Alex Stokes)両被告(23)は2019年10月、同州アーバイン(Irvine)で問題の動画を撮影した。2人は黒ずくめの服装にスキー帽で覆面し、大金が詰まっているように見せかけたバッグを抱え、ウーバーの配車を依頼した。

 ドライバーはいたずら動画の撮影中とは気付かず、2人の乗車を拒否。だが、目撃者が車強盗として緊急通報したため、ドライバーは駆け付けた警官に銃を突き付けられ、身柄を一時拘束された。

 カリフォルニア州オレンジ郡(Orange County)のトッド・スピッツァー(Todd Spitzer)地方検事は、「重傷者や死者が出ていたかもしれない犯罪」だと指摘。「2人が警官の安全や、銃口を向けられて車から降ろされた無実のウーバードライバーの安全よりも、インターネットでフォロワーを増やすことのほうを重視していたのは無責任で無謀だ」と非難した。

 2人は当初、重罪で訴追されたが、不当監禁罪の罪状を軽罪に変更することで有罪を認める司法取引に応じた。重罪で有罪になれば、それぞれに最長5年の禁錮刑が科される可能性があった。2人には社会奉仕活動160時間と保護観察1年、賠償金の支払いが命じられた。

 問題の動画で2人は、ウーバーを巻き込んだ騒動の数時間後にカリフォルニア大学アーバイン校(University of California, Irvine)のキャンパスで、同様のいたずらを実施。これについて2人は、同キャンパスへの立ち入り禁止を命じられた。

 ストークス兄弟は、友人や家族を標的としたいたずら動画で絶大な人気を誇り、ユーチューブ(YouTube)のチャンネル登録者数は600万人以上、ティックトック(TikTok)のフォロワー数は3000万人近くに上る。(c)AFP