【3月31日 People’s Daily】とにかく倹約から質の高い生活まで、リスク回避から積極的な投資まで、多忙な生活から今の楽しみの享受まで。若者の金銭観のこのような変化は、まさに中国社会の急速な発展の時代の縮図で、中国の未来にも影響を与えている。

 2020年に社会人になった梅林(Mei Lin)さんによると、残業またはバイトでお金を稼ぐ必要があったとしても、まずきちんと余力を確保し、健康に影響を与えないようにしないといけないという。梅さんは「努力は私のような世代の人たちの基本ですが、富のために絶えず体と生活の楽しみを過度に犠牲にするのは、私は受け入れられません」と言う。

 しかし、突然やってきた新型コロナウイルスのパンデミックは、一部の若者のお金稼ぎ、消費、資産運用への見方に影響を与えた。「コロナ禍の影響は私に重要な二つのことを教えてくれた。保険に入ることと、貯蓄・資産運用のことだ」と、王萌萌(Wang Mengmeng)さんが語った。

 自分の親の世代に比べ、若者はあくせく働くような「積立ててから楽しむ」というやり方にあまり興味がない。むしろ、「お金を稼ぎながら楽しむ」という生活の態度だ。

「上の代の人は主に『生きる』ためにお金を稼ぐ。例えば、家を買うため、子どもを学校に行かせるため、突発的な出来事に対応するため、そして、お金を貯めるため。しかし、生活のためにお金を稼ぐが、生活はお金を稼ぐためにあるのではないと考える若者が増えている」と、中国社会科学院社会学研究所の朱迪(Zhu Di)研究員は分析する。

 マッキンゼーが発表した「中国ぜいたく品報告2019」によると、2018年、「90後(1990年代生まれた人)」のぜいたく品消費額は中国のぜいたく品総消費額の23%を占めている。一人当たり2万5000元(約41万8000円)で、その金額は彼らの父の世代と同じだ。2020年、ベインキャピタルが発表したデータによると、若い層が初めてぜいたく品を買う平均年齢は20歳だという。

 朱氏は「現在の若者は『まだ起きていないことに対処するため、事前に備えていく』考え方より、『今を大切にする』ことを重視している。彼らは自分が何を望んでいるのか、何が好きなのかを知っている。これは上の世代の人のまず『私は何が買えるのか』を気にするのとは違う」と分析している。

「若者は将来の経済と個人の成長により自信を持っている。また、社会保障システムの健全化に伴い、1990年代以降に生まれた世代は、将来の老後などの問題について、今のところ不安を感じていない」。北京大学(Peking University)光華管理学院の符国群(Fu Guoqun)教授は述べた。

 自分に対して気前がいい以外に、若者は公益事業に対してもっと開放的で気前が良い。北京のある小学校に務めている劉先生は、2012年7月から携帯電話の月額プランキャンペーンで、赤十字に寄付をしている。「微力ながら何か役に立てれば、充実した気分になる」と言う。彼女は自分の着ていない服・使っていないものを助けを必要としている多くの人への寄付もしている。

 上海高金金融研究院が発表した「2020国人投資信託動向報告」によると、中国の投資家の若年化が顕著で、「90後」が主力となっている。オンライン資産運用はますます多くの若者の選択となっている。(c)People’s Daily/AFPBB News