【4月11日 AFP】低脂肪のラテを飲みながらアライグマをなでたり、カプチーノを楽しんだ後にヘビに巻き付いてもらったりするのはいかが? 中国・上海にある数多くのアニマルカフェでは、犬や猫にとどまらず、より多種多様な動物を取り入れてサービスを提供している。

 アライグマから子豚、爬虫(はちゅう)類まで、さまざまな動物種と触れ合える上海のアニマルカフェは、野生動物からヒトへのウイルス感染の懸念がより高まったコロナ禍でもブームを迎えている。

 数十店あるアニマルカフェへの注目度は、店の利用者らが動物と撮った写真をソーシャルメディアに投稿することによってさらに上がるのだ。

 市内中心部にある「ラクーンカフェ(Raccoon Cafe)」では、8匹のアライグマが飼育されている。カフェを営むチェン・チェン(Cheng Chen)さん(36)は、昨年末に経営を引き継ぐまでアライグマの飼育経験はなかったという。

 チェンさんは、アライグマを店に閉じ込め、ドッグフードを与えているカフェに対して人々が疑問を抱いたとしても何ら不思議ではないと話す。

 また、動物をないがしろにする人が飼育をしたり繁殖したりすることが困難になるよう、政府の規制強化にも期待を寄せる。「特別な規制はほぼありません。とりわけ中国では、ペットをめぐる規制が比較的緩いのです」

■大きな苦しみ

 別のアニマルカフェでは、ヘビやイグアナ、ヤモリが飼育されている。30匹いるヘビのなかには、コーンスネークやキングヘビなども含まれる。有毒ではないがそれでもかまれるリスクはある。ただ、これまで、利用客がかまれたことはないという。

 こうしたカフェに対して、動物保護団体ワールド・アニマル・プロテクション(World Animal Protection)に所属する科学者、エバン・サン(Evan Sun)氏は「深く憂慮している」と話す。

 サン氏は、「動物たちはこうしたカフェで悲惨な状況に置かれており、大きな苦しみとプレッシャーにさいなまれている」と指摘し、「野生動物とじかに接触することは、苦痛と残忍さを助長するだけでなく、人獣共通感染症の発生とまん延を助長するような、病気の温床をつくり出す」と続けた。(c)AFP/Peter STEBBINGS/LAN Lianchao