【3月27日 AFP】サッカー元フランス代表のティエリ・アンリ(Thierry Henry)氏が、インターネット上での人種差別や嫌がらせ行為への対策が強化されるまで、ソーシャルメディアの使用を全てやめると表明した。最近では多くの有名人が、ネットによる誹謗(ひぼう)中傷をめぐってSNSから撤退している。

 現役時代にはイングランド・プレミアリーグのアーセナル(Arsenal)などの強豪クラブでプレーしていたアンリ氏は、ツイッター(Twitter)をはじめ、フェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instagram)で自身をフォローしている合計1480万人に対して、27日をもって全てのSNSから手を引くと宣言した。

 同氏は投稿の中で、「膨大な数の人種差別や弱い者いじめ、そして精神的苦痛を与える行為は、あまりにも有害で看過できない」とつづり、大手SNSに対して「説明責任」を求めた。さらには、ユーザーがいとも簡単にアカウントを作成し、結果も考えずに匿名でいじめや嫌がらせに使用していることも指摘した。

「こうした状況が変わるまで、ソーシャルプラットフォームの自分のアカウントを全て無効にする。すぐに改善されることを願っている」

 ネット上では主に匿名アカウントから人種差別や女性差別なども含め、ユーザーへの暴言が多発しており、こうした行為を助長しているとして、ツイッターに対しては他の大手SNSと同様に批判の声が高まっている。

 フランス代表の最多得点記録保持者であるアンリ氏は、サッカー界の人種差別問題に関して以前から声を上げていると同時に、自身も高名な黒人サッカー選手として差別被害に遭ってきたことを訴えていた。

 ツイッターは前週コメント文を発表し、プラットフォーム上での「人種差別は一切容認しない」ことや、サッカー選手への中傷行為を厳重に取り締まるべく作業をしていることを明らかにした。(c)AFP