【3月26日 AFP】ロシアは25日、エジプトのスエズ運河(Suez Canal)で大型コンテナ船が座礁し、航路がふさがれている機会を捉えて、「代替ルート」として北極海航路(Northern Sea Route)をアピールした。

 日本企業が所有するパナマ船籍のコンテナ船「エバーギブン(Ever Given)」は23日、スエズ運河で砂嵐に巻き込まれて座礁。地中海と紅海(Red Sea)を結び、世界の海上貿易の10%以上を占める航路が遮断された。

 ロシア国営エネルギー企業ロスアトム(Rosatom)は25日、スエズ運河航路の代替ルートとして北極海航路を検討すべきだと主張した。

 ロシアは、北極海航路の開発に多額の投資を行ってきた。同航路を利用すれば、アジアまでの航海日数を従来のスエズ運河航路よりも短縮できる。

 気候変動による氷の減少を受けて、ロシア政府は北極海航路を使って石油やガスの輸出を計画している。

 ロシアの気象当局は25日、北極海航路の2020年の海氷量は「過去最低水準」だったと発表した。夏の終わりには海氷がほぼなくなる年もあるという。(c)AFP