【3月25日 AFP】2021年シーズンのフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)でデビューを飾るアルファタウリ(AlphaTauri)の角田裕毅(Yuki Tsunoda)。幼い顔立ちで、マシンに特注ペダルが必要なほど小柄な角田だが、F1にはただ参戦するだけで満足するつもりはない。

 シーズン前のテストで、メルセデスAMG(Mercedes AMG)の王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)らを上回る全体2番手のタイムを出した角田は、今週末から始まる開幕戦バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2021)で、この世界に自分の名前を刻むことを狙っている。

 前週行ったオンライン会見で、角田は「とりあえず、僕が今持っているパフォーマンス全てを出し切って、最初からプッシュし、あまりミスを恐れずにガンガン攻めていきたい」と話した。

 2000年生まれで、今季のドライバーでは最年少となる20歳は、ここまで猛スピードでF1の舞台へ駆け上がってきた。

 実家のある神奈川県で4歳の頃にカートに初めて乗り、レースの世界へ足を踏み入れたときは「F1のことは全く考えていなくて、目の前のレースに集中したり、次のステップについて考えたり」していたという。

 しかしそこからアルファタウリのパワーユニット(PU)供給メーカーであるホンダ(Honda)の育成ドライバーに選ばれ、後押しを受けるようになると、2016年には日本で開催されているFIA-F4選手権(F4 Japanese Championship)でデビュー。その後はフォーミュラ3(F3、FIA F3選手権)、ユーロフォーミュラ・オープン(Euroformula Open Championship)を経験して、昨年カーリン(Carlin)からフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)に参戦した。

 F2では挑戦1年目ながらシーズン3勝、表彰台7回、ポールポジション4回と結果を残し、今季同じくハース(Haas F1 Team)からF1デビューを飾るミック・シューマッハ(Mick Schumacher)、フェラーリ(Ferrari)のテストドライバーとなったカラム・アイロット(Callum Ilott)に次ぐ年間3位に入った。こうした実績でアルファタウリのフランツ・トスト(Franz Tost)代表を納得させ、F1シートという大きなチャンスをつかみ取った。