【3月22日 Xinhua News】中国北京市の石探記博物館で20日、約1億年前の昆虫を閉じ込めた琥珀(こはく)が公開された。

【写真特集】琥珀の中で永遠に眠る古代生物

 巨大な角と細い体が強烈な対比をなす奇妙な姿の生物は、人類が発見した中で触角が全体に占める割合が最も大きい昆虫であり、科学者から「大角カメムシ」と名付けられた。

 中国科学院動物研究所の陳睿(Chen Rui)博士によると、琥珀はミャンマー北部カチン州で見つかり、約9900万年前の白亜紀中期に形成された。閉じ込められていたのは大角カメムシの幼虫で、際立って大きく繊細な美しさを持つ葉のように広がった触角を備える。より多くの化学信号を受信でき、潜在的な宿主植物と周囲の環境に対する感覚機能が増強されているという。

 大きな触角は昆虫にとって多くの利点があるが、数千万年の歴史の選択の中でこの特徴がなぜ維持されなかったのか。南開大学(Nankai University)の黄大衛(Huang Dawei)教授は、大きな触角が化学信号の受信や擬態行動の獲得、性淘汰(とうた)などで有利に働く反面、過度のエネルギー消耗やぎこちなく緩慢な動き、著しく誇張された外観が個体と個体群の環境適応能力を制約したと指摘。特に環境に大きな変化が生じた場合、最終的に深刻なマイナスの影響を昆虫にもたらした可能性があると説明した。

 研究結果はこのほど、国際学術誌「iScience」に掲載された。研究チームは今後も大角カメムシの成虫個体を探すことで、特化された特徴の起源や関連する機能の仮説をさらに検証していくという。(c)Xinhua News/AFPBB News