【3月21日 AFP】米ホワイトハウス(White House)は19日、ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領が航空宇宙局(NASA)の長官に、民主党のビル・ネルソン(Bill Nelson)元上院議員(78)を指名すると発表した。

 ホワイトハウスによると、ネルソン氏の政界での経験は40年にわたる。フロリダ州議員や連邦下院議員、同州財務官を経て、2019年まで連邦上院議員を3期務めた。上下両院で宇宙関連委員会の委員長や幹部を務めた経歴もある。

 元陸軍大尉のネルソン氏は、1986年にスペースシャトル「コロンビア(Columbia)」に搭乗。現職議員では2人目となる宇宙飛行を果たし、医学実験に携わった。

 指名が承認された場合、ネルソン氏は1月20日に辞任したジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)前長官の後任を務めることとなる。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領がブライデンスタイン氏を長官に指名した当初、気候変動の科学的見解を否定するといった同氏の共和党下院議員時代の政治的立場を理由に懐疑的な声が上がっていた。

 しかし、ブライデンスタイン氏は高く評価され、自身の議員経験がNASAの目標達成に向けた支援を取り付けるのに非常に役に立った。また、気候変動に対する見解もその後転換した。

 ネルソン氏の指名は、宇宙開発分野での米国の主導権を維持するというバイデン氏の思惑を裏付けるものだとみられる。バイデン氏はまた、NASAの最優先事項に気候変動の研究を挙げている。(c)AFP