【3月21日 AFP】トルコのイスタンブールで20日、女性に対する暴力の防止と撲滅を目的とした「イスタンブール条約(Istanbul Convention)」からの脱退に抗議する数千人規模のデモが行われ、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に方針撤回を求めた。

 今回の決定は官報で20日朝に発表され、即座に国内外で激しい反発を呼んだ。脱退は、同条約が家族の結束を損なうと主張する与党・公正発展党(AKP)などの保守派にとって新たな成果だといえる。

 2011年に採択されたイスタンブール条約は45か国と欧州連合(EU)が署名しており、ドメスティックバイオレンス(DV)などの虐待、夫婦間レイプ、女性器切除の加害者を訴追する法整備を批准国に求めている。

 イスタンブールのアジア側に位置するカドゥキョイ(Kadikoy)地区では20日、数千人がデモに参加し「決定を覆し、条約を適用せよ!」と掛け声を上げた。

 報道によると、首都アンカラと南西部のイズミル(Izmir)でも、これよりも小規模な抗議活動が行われた。(c)AFP/Fulya OZERKAN