【3月20日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)政権は19日、女性に対する暴力の防止と撲滅を目的とした「イスタンブール条約(Istanbul Convention)」からの脱退を発表した。

 イスタンブール条約は2011年に欧州評議会(Council of Europe)で採択され、ドメスティックバイオレンス(DV)や夫婦間レイプ、女性器切除の加害者の訴追に向けた法整備を批准国に求めている。

 エルドアン氏率いる保守派与党は条約について、家族の調和を傷つけて離婚を助長するほか、LGBTコミュニティーが社会でさらに受容されることを目指して利用しているなどと主張していた。

 一方、野党は条約脱退に強く反発。与党が脱退を提起した昨年以降、トルコ国内では条約に関する激しい議論が交わされ、イスタンブールなど各地で女性による抗議デモが行われている。

 トルコでは、DVとフェミサイド(女性を標的とした殺人)が深刻な問題となっている。女性権利団体「We Will Stop Femicide Platform」によると、昨年は約300人の女性が殺害された。(c)AFP