【3月21日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所は15日、中国や英国、米国などの古生物学者がこのほど、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)で3億年前の古代の木「烏海擬歯葉(Paratingia wuhaia)」を発見したことを明らかにした。この木は松ぼっくりのような果穂と杉の葉に似た形の葉を持ち、石炭を形成する主要植物の一つでもある。

 研究を主導した同研究所の王軍(Wang Jun)研究員によると、新たな古代の木の化石は、内モンゴル自治区の烏達(うたつ)炭田で見つかった。同地域は約3億年前までは雨量が豊富で日照に恵まれた湿地林だったが、当時突然発生した巨大な火山噴火により、烏海擬歯葉を含む多くの古代植物が化石になり、現在まで残るようになった。

 研究者は化石を通じ、烏海擬歯葉の姿をはっきりと再現した。この木は高さ5~6メートルで、下半分は幹がむき出しになっており、幹の上端に葉と生殖器官が生えている。

 研究の結果、烏海擬歯葉が胞子植物の繁殖方法と裸子植物の木の構造を併せ持ち、この2種類の中間に当たる過渡的なグループであることを発見した。王氏は「実際の進化の過程では、より高等な生物がすぐに取って代わるわけではない。烏海擬歯葉に代表される過渡期の植物は、より高等な種子植物の出現後も1億1千万年の間、生き残った。こうした植物は湿地林の他の植物と共に、現在人間が採掘して利用する石炭を形成している」と語った。

 関連研究成果はこのほど、学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News