【3月19日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の元世界王者であるニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)氏は、ハース(Haas F1 Team)のミック・シューマッハ(Mick Schumacher)に対し、父のミハエル(Michael Schumacher)氏の足跡をたどって次週F1デビューを果たす際には、メディアから大きな注目を集めることを覚悟するように忠告した。

 自身も元F1王者のケケ(Keke Rosberg)氏を父に持つ35歳のロズベルグ氏は、独スポーツ1(Sport1)のウェブサイトで、「『息子』であることは簡単ではない。ミックに関しては、それが10倍も難しいだろう。なぜなら、ミハエルの時代はずっと前の話ではないし、彼はもっと多くの成功を収めてきたからだ」と語った。

 22日に22歳の誕生日を迎えるミックは、28日に決勝が行われる今季開幕戦のバーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2021)で米国に拠点を置くハースからF1デビューを果たす。2018年に欧州F3選手権(FIA European Formula 3 Championship)を制した後、2020年にはフォーミュラ2(F2、FIA F2選手権)でタイトルを獲得し、今季からF1に昇格した。

 F1で通算7度の年間優勝を果たしたミハエル氏の息子として、ミックはモータースポーツ界で最も有名な名字の一つを背負っていくことになる。また、バーレーンGPではミハエル氏が2004年に初代王者となっており、その重圧も加わることになる。

 父のケケ氏が成し遂げた34年後の2016年シーズンに、自身もF1王者になって現役を引退したロズベルグ氏は、ミックがF1での1年目にメディアから注目を浴び、それが「ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)が味わったよりもはるかに大きい」ものになると覚悟しなければならないと強調し、「ミックが注目を脇に置いて、自分の仕事にしっかり集中できることを望んでいる。なぜなら、そうしなければ多くの楽しみが奪われてしまうからだ」と語った。

 さらに、F1に落ち着くまでメディアが十分な時間を与えてくれないようであれば、ミックが「自分でそれに対処していかなければならない」とアドバイスし、「時間と忍耐が必要だ。結局のところ、自分はレース初勝利まで7年、(F1の世界)タイトルを獲得するまで11年も待たなければならなかった」と話した。

「今年ミックの価値を見定めるなら、そのことを念頭に置いておく必要がある」 (c)AFP