【3月17日 AFP】中国北部・河北(Hebei)省のトレーニングセンターで、15歳の選手2人が後輩たちに熱湯を浴びせるなどの暴行を加えていたことが分かり、SNSで怒りの声が巻き起こっている。

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 国営新華社(Xinhua)通信は16日、河北省にある体操と柔道、重量挙げの選手が集まるトレーニングセンターで2020年9月、15歳の2人が10歳前後の5人に暴行を加えていたと報じた。2人は謹慎処分を受けているという。名前は明らかになっていない。

 他のメディアでは、熱湯をかけられて首の皮がむけた被害者の少年の動画も公開されており、母親によれば顔面も皮がむけ、あざもあるという。母親は「胸が痛むという言葉だけでは、今の気持ちはとても言い表せない」と話し、15歳の2人が被害者の鼻に卵の黄身を詰めたり、尻をライターの火でやけどさせたりしていたことも明かした。

 この報道に、中国版ツイッター(Twitter)の「微博(ウェイボー、Weibo)」では多くのユーザーが非難の声を上げ、2人を逮捕する、あるいは競技から永久追放にするべきだと訴えている。事件から半年が経過してようやく詳細が明らかになったことを指し、河北体育局の対応の遅さを批判する人もいる。

 国がスポーツ選手を厳しく管理するシステムを敷いている中国では、才能があるとみなされた選手は多くが幼いうちに親元から引き離され、過酷な練習環境に送り込まれる。今回の事件は、少年少女を含めた選手を極限まで追い込むと以前から言われてきた、中国のスポーツシステムの暗部に改めて光を当てるものになった。(c)AFP