【3月13日 AFP】男子テニスのブノワ・ペール(Benoit Paire、フランス)は、ATPツアーの現状について「嘆かわしく、退屈でばかげている」と不満を示し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による規制で世界中のトーナメントが無観客で行われている中で、意欲を保つことが難しいと訴えた。

 世界ランキング29位のペールは、今季はここまで計7試合プレーして1勝しかできていない。今週のチリ・オープン(Chile Dove Men+Care Open 2021)では、初戦でデンマーク出身のティーンエージャー、ホルガー・ビートゥス・ヌースコウ・ルーネ(Holger Vitus Nodskov Rune)と対戦して惨敗した。

 また、前週のアルゼンチン・オープン(Argentina Open 2021)でも、フランシスコ・セルンドロ(Francisco Cerundolo、アルゼンチン)との2回戦で唾を吐いて失点処分を科された揚げ句、最後の自身のサービスゲームでは「わざと負ける」などして自滅した。

 31歳のペールは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに、「『いかに自分が恵まれているのか認識していない』と言いたいのは分かるが、何の雰囲気もない空席のスタジアムでプレーするのは、自分がテニスをする理由ではない」と強調すると、「この偽物のATPツアーに慣れる時間が必要だけれど、これから努力して再びテニスを楽しめるようにしていく」とつづった。

「自分の目標はコートで笑顔になり、ボールを打つことを楽しめるようにすることだ。勝とうが負けようが、そんなのは全く気にしない」

 次週のメキシコ・オープン(Abierto Mexicano TELCEL Presentado Por HSBC 2021)に続き、今月末のマイアミ・オープン(Miami Open 2021)にも出場すると表明しているペールは昨年、新型コロナウイルスの検査で陽性が判明して全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を欠場。

 今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2021)では、現地入りのチャーター機で数人のウイルス陽性者が出たことから、大会を前にホテルに缶詰め状態となる14日間の完全隔離を強いられた選手の一人となっていた。(c)AFP