【3月3日 AFP】(更新)米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は2日、5月末までに全成人分の新型コロナウイルスワクチンを確保できる見通しを示した。米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したワクチンを米製薬大手メルク(Merck)が生産する。

 バイデン氏は、「これは世界大戦中にみられたような企業間の協力だ」と述べた。米厚生省によると、メルクは2か所の施設でJ&Jのワクチンを生産する。

 バイデン政権は、「国防生産法(Defense Production Act)」を発動。メルクに当面の設備転換費用として1億500万ドル(約112億円)を提供するほか、J&Jのワクチン生産施設を週7日、24時間態勢で稼働させる。

 これによりJ&Jは、5月末までに約1億回分のワクチンを米国に供給できる見通し。同社は、メルクと協力できることをうれしく思うと発表した。

 バイデン氏は「重要な進展だ。しかし、ワクチンの確保だけでは不十分だ。非常に多くの米国人に、ワクチンを接種する医師も必要だ」と述べたほか、「今はまだ気を緩める時ではない」として、新規感染者が減り、ワクチン接種が進んでも、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)やマスク着用を続けるよう国民に呼び掛けた。(c)AFP/John BIERS