【3月2日 AFP】オーストラリアで、現役閣僚が約30年前に未成年者をレイプしていた疑惑が浮上し、停職処分を求める声が上がっている。これについてスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は1日、同閣僚は疑惑を「断固否定」しており、警察が対応に当たっているとして、停職に処する考えはないことを明らかにした。

 首相に対しては、政界の性差別的な風土を改革するよう、世論の圧力がすでに強まっている。

 閣僚の氏名は、名誉毀損(きそん)関連法に基づき公表されていない。モリソン首相は、同閣僚の有罪が証明されるまでは無罪だと強調。その上で、「犯罪行為の疑いは管轄権を持ち権限のある機関が対処すべきだ」とし、本件は「警察の対応事案だ」と述べた。

 モリソン首相は先日、同閣僚が1988年にシドニーで16歳の少女をレイプしたとする疑惑について、詳細をつづった手紙を受け取った。首相が同閣僚に問題について尋ねたところ、「断固否定した」という。

 女性は昨年自殺。被害者からの事情聴取ができず、事件が起きたとされる日から長い年月が経過していることから、訴追の可能性は低い。

 モリソン政権と豪政界をめぐっては、今年に入りスキャンダルが相次いでいる。先月には連邦議会内のリンダ・レイノルズ(Linda Reynolds)国防相の執務室で、元職員の女性が男性の同僚にレイプされたと訴えている。レイノルズ氏は現在、療養休暇を取得している。(c)AFP