【2月25日 AFP】イタリアで開催されたミラノ・ファッションウィーク(Milan Fashion Week)で、反人種差別運動「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」に触発された5人の黒人デザイナーが歴史的なデビューを飾った。

 イタリアのファッション界における多様性を求めてきた5人は、昨年米国で端を発し、欧州に広がった「BLM」運動の名を冠したデザイナー集団を立ち上げた。その5人が24日、そろってデビューを果たした。ミシェル・ヌゴンモ(Michelle Ngonmo)氏もその一人だ。

 新型コロナウイルス流行下の今季のショーは全て事前収録されたものだが、AFPは先週、ミラノの文化施設チルコロ・フィロロジコ(Circolo Filologico)でその準備の様子を独占取材した。

 ファッションウィークへの参加は勝利を意味するのかという質問に、ヌゴンモ氏は 「最初の一歩だと思います」と語った。そして、長期的には「 『イタリア製』というラベルは肌の色ではなくノウハウの問題であることを、私たちが住んでいる社会に理解させる必要があります」と述べた。

 ミラノ・ファッションウィークに参加することは、一人のデザイナーにとって究極の夢だ。イタリア人デザイナーもだが、アフリカ出身のデザイナーにとってはなおさらだ。

 同じくBLMデザイナーの一人、ファビオラ・マニラキザ(Fabiola Manirakiza)氏は1972年、ブルンジの民族紛争で両親を亡くした。「普段は私たちは無視され、見えない存在ですが、これは私たちの再生です」。マニラキザ氏は力を込めて語った。(c)AFP/Brigitte HAGEMANN