【2月25日 AFP】韓国の人権団体は24日、北朝鮮が韓国兵捕虜とその子孫を数世代にわたり国内各地の炭鉱で奴隷労働に従事させてきたとする報告書を発表した。

 北朝鮮では1950~53年の朝鮮戦争(Korean War)後、数万人に上る韓国兵捕虜が韓国に帰されず、国内にとどめ置かれた。

 韓国・ソウルに本部を置く人権団体「北朝鮮人権市民連合(NKHR)」は報告書で、捕虜たちが奴隷のような状態で炭鉱での苦役に従事させられ、その過酷な境遇は子孫にも引き継がれたと指摘。「住居や仕事を替えたり、高等教育を受けたりすることを完全に制限されてきた」と説明した。

 国連(UN)は、2014年に発表した北朝鮮の人権に関する報告書で、朝鮮戦争後に北朝鮮に残った韓国兵捕虜は少なくとも5万人で、うち500人前後が存命中だと結論した。

 NKHRの報告書を執筆したヨアンナ・ホサニャク(Joanna Hosaniak)氏はAFPの取材に応じ、韓国政府は捕虜らの窮状を無視していると批判。北朝鮮との首脳会談では文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領もドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領(当時)も人権問題を取り上げなかったと指摘した。(c)AFP