【2月22日 AFP】インド政府は21日、昨年衝突があったヒマラヤ(Himalaya)国境地帯の係争地から中印両軍の部隊の撤退が完了したと明らかにした。同地帯では数か月、緊張が高まっていた。

 いずれも核保有国であるインドと中国は1962年、チベット(Tibet)に隣接するインド・ラダック(Ladakh)地方の国境をめぐり紛争。その後も正式に国境が合意されることはなく、双方は長く、相手側が国境侵犯を企てていると主張してきた。

 昨年6月中旬には、戦略上重要なラダック地方のガルワン(Galwan)渓谷で国境をめぐる衝突が起き、インド兵士20人が死亡。中国政府は今月19日、この衝突により兵士4人が死亡していたと発表し、この衝突による中国側の死者公表はこれが初めてとなっていた。

 インド国防省は中国と出した共同声明で、20日に行われた10回目の協議で、「双方は、パンゴン(Pangong)湖地域の前線部隊の撤退が円滑に完了したことを肯定的に評価した」と発表。「双方は(中略)コミュニケーションと対話を継続し、現場の状況を安定・制御し、残る問題に関して相互に受け入れられる解決策を目指し努力することで合意した」と明らかにした。(c)AFP