【2月21日 AFP】在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は20日、内戦下のシリアで政府軍を支援するロシア軍が過去24時間に砂漠地帯で実施した一連の空爆で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員が少なくとも21人死亡したと明らかにした。

 空爆はISを標的に、中部ホムス(Homs)県からイラクとの国境地帯までの広い地域で、過去24時間に少なくとも130回行われた。ISは19日、政府軍とその支援勢力を襲撃し、親政府民兵部隊の戦闘員が少なくとも8人死亡。空爆はこれを受けて行われ、20日まで続いたという。

 監視団のラミ・アブドルラフマン(Rami Abdul Rahman)代表はAFPに対し、ロシア軍が砂漠地帯で実施する空爆は「IS戦闘員の小さな集団や車両」を標的にするのが一般的だと語った上で、「IS戦闘員は常に移動しており固定した目標がないため、ロシア軍にとって困難な作戦だ」と説明した。

 アラビア語でバディア(Badia)と呼ばれる広大な砂漠地帯ではここ数か月、イスラム過激派と、ロシア空軍の支援を受けたシリア政府軍の交戦が増えている。国連(UN)は今月発表した報告書で、この一帯が政府軍など敵対勢力への攻撃を企てる過激派の「安全な潜伏先」になっていると指摘した。(c)AFP