【2月4日 AFP】新型コロナウイルスの感染者は出ていないと主張する北朝鮮が、世界保健機関(WHO)が支援する分配計画でワクチンの申請を行い、199万回分を受け取る予定であることが、ワクチン普及に取り組む国際組織「Gaviワクチンアライアンス(Gavi, the Vaccine Alliance)」の報告で分かった。

 北朝鮮が国際支援を求めたのが公式に確認されたのはこれが初めて。同国の医療インフラは、どんな感染症の大流行に対応するにも痛ましいほど不十分とみられている。

 Gaviなどが率いるワクチン分配計画「コバックス(Covax)」が今週発表した中間報告書によると、新型コロナワクチン199万回分が北朝鮮に供給される予定となっている。

 Gaviは4日、AFPに対し、ワクチンが暫定的に割り当てられているすべての国から「ワクチンの申請があった」と明かした。

 同報告書によると、北朝鮮には英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)と英オックスフォード大学(University of Oxford)が共同開発し、インドにある世界最大のメーカー、インド血清研究所(Serum Institute of India)で製造されたワクチンが供給される予定。

 北朝鮮は以前から感染者ゼロを強調しているものの、同ウイルスが最初に確認されたのが隣国であり最大の貿易相手国・援助国の中国であることから、その可能性は低いのではないかと指摘する専門家もいる。(c)AFP