【1月28日 AFP】エジプト観光・考古省は27日、不正なルートで米国に渡ったとして返還を求めてきた古代エジプトの遺物5000点近くが、数年に及ぶ交渉の末に返還され、首都カイロの空港に到着したと発表した。

 同省によると、返還されたのは米首都ワシントンの聖書博物館(Museum of the Bible)が収蔵していた遺物。大半は写本だが、葬送用の仮面やひつぎの一部、石像の頭部なども含まれる。

 返還された遺物は、カイロのコプト博物館(Coptic Museum)に収蔵されるという。

 これらの遺物がどのような違法手段でエジプト国外に流出し、米聖書博物館に収蔵されるに至ったかの経緯は分かっていないが、エジプト当局は数年にわたり返還交渉を行ってきた。

 エジプトでは2011年にホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領を失脚させた民衆蜂起の際、貴重な遺物が多数傷つけられたり破壊されたり、違法に国外に持ち出されたりした。(c)AFP