【1月27日 People’s Daily】新型コロナウイルスの衝撃によって、中国政府は追跡と調査の上、海外貿易安定措置を打ち出した。海外貿易に携わる経済主体・市場のシェア・輸出の発注などを保持し安定させる施策である。中国は2020年、逆風にもかかわらず大きな成果を出せたと言える。

 海関の統計データによれば、2020年の11月までには、中国の貨物防疫輸出入総額は29兆400億元(約465兆円)であり、同期比は1.8%伸び、史上最高値を更新した。4月の輸出総額は1兆4100億元(約22兆6000億円)であり、同期比8.2%の増加であったが、これは第1四半期の同期比が2桁落ちた後、輸出が初めて回復した時の値である。6月、中国の貨物貿易は輸出・輸入ともにプラスに転じた。9月までには、海外貿易の累計増加速度がマイナスからプラスに転じた。11月、輸出入は3兆900億元(約49兆円)に達し、6か月連続でプラス成長となった。

 広東省(Guangdong)順徳区(Shunde)の港では、新しい海上コンテナを満載した貨物車が順番に通関していく。「2020年5月から、私達の輸出貨物額はどんどん増えてプラスに転じていき、今も増え続けています」と、広東富華機械設備製造の税関申告責任者である鍾炳声(Zhong Bingsheng)氏は語る。

 それは、順風満帆とは言えなかった。2020年4月までに富華機械が輸出したコンテナはわずか1万4784台、取引額は4億300万元(約64億円)であり、同期比はマイナス39.49%であった。新型コロナウイルスの影響を受けて、国外市場の変数が大きく、船舶の手配も難航し、スケジュールは長引いた。広州海関所属の仏山海関順徳事務所は新しいコンテナに「スマート識別」をつけ、映像によってコントロールを行うシステムを完備させ、遠隔コントロールを実現した。

「効率よく速い通関は、物流コストを大幅に下げました」と、鍾氏は言う。2020年11月、同社が輸出した新しいコンテナは10万8300台、取引額は30億8900万元(約495億1000万円)、同期比90%近くまで持ち直した。

 中国商務部付属研究機関である対外貿易研究所の梁明(Liang Ming)所長が言うには、第1四半期は困難に遭ったが、第2四半期に買い支えによって安定し、第3四半期には全面的にリバウンドした。中国の海外貿易は規模が史上最大になったのみならず、国際市場におけるシェアも一段と増え、世界経済の復活に貢献した。

「私たちは主に中欧鉄道の輸出貨物代理通関を行っており、2020年は業績が倍増しています」と、浙江省(Zhejiang)にある通関代理会社の虞学飛(Yu Xuefei)さんは語る。虞さんによれば、新型コロナウイルスの影響で国際海運・空運が共に阻害を受ける中、中欧鉄道は安定した物流手段として少なからぬ顧客を引きつけている。海運によって輸出を行っていた顧客のうち、中欧鉄道に切り替えた人も少なくない。

 2020年、中国の海外貿易は新たな進展を迎えている。貿易の方式は絶え間なく最適化が図られ、民間企業の輸出は増え、競争力も強固なものになりつつある。輸出品目の構造最適化が図られ、集積回路・パソコン・医療機器などハイテクかつ高付加価値な品目の輸出が強化されている。(c)People’s Daily/AFPBB News