【1月27日 AFP】東京五輪で5個目の金メダルを目指す陸上男子長距離のモハメド・ファラー(Mohammed Farah、英国)が、選手は新型コロナウイルスのワクチン接種を受けることになると伝えられたと明かし、パンデミック(世界的な大流行)の中でも五輪は開催されるはずだという見通しを語った。

 すでに1回延期になっている東京五輪については、ウイルスの感染が世界中で再拡大していることで、中止の可能性が取り沙汰されている。しかし国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長や日本政府は、予定通り開催する姿勢を堅持している。

 IOCのディック・パウンド(Dick Pound)委員は、選手にワクチンを優先的に接種させるべきだと話しているが、接種はリスクが高い人を優先にするべきだという声もある。

 ファラーは英ラジオ局トークスポーツ(talkSPORT)で「現役選手のほとんどは、五輪へ行って参加したいと思っているはずだ」と話し、「カギは安全を保てるかどうかで、国の対応力を見ていく必要がある」との考えを示した。

「基本的に全員が接種を受け、その後は感染拡大のリスクが減ると伝えられたから、その後はどうなるか状況を見守りながら、一日一日を過ごしていきたい」

 現在37歳のファラーはこのところマラソンに挑戦していたが、東京五輪に向けてトラック競技に再転向している。五輪では2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪で5000メートルと1万メートルの2大会連続2冠を達成し、東京五輪では1万メートルの3連覇を狙っている。

 五輪という大舞台であっても「レースの一つ」にすぎないという英トラック競技界のレジェンドは、「(東京五輪は)やると思うよ」と話している。(c)AFP