【1月23日 AFP】イタリアで、動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」の「失神チャレンジ」に参加したとされる10歳の少女が死亡する出来事があり、検察当局が捜査を開始した。

 同国のデータ保護局は22日、年齢が確認できないユーザーのティックトック利用を2月15日まで禁止すると発表。ティックトックの利用規約では、13歳以上のみが利用できると定められている。

 少女は20日、5歳の妹によって自宅の浴室で発見され、搬送先のパレルモ(Palermo)の病院で死亡。警察は現場で見つかった少女の携帯電話を押収した。

 少女が参加したとされる失神チャレンジは、脳を酸欠状態にすることで陶酔感を味わうもので、「スカーフィング」や「窒息ゲーム」とも呼ばれている。医療専門家らは以前から、一部の若者の間で見られるこの行為の危険性について警告を発してきた。

 中国のバイトダンス(ByteDance、字節跳動)傘下のティックトックは22日、少女に失神チャレンジへの参加を促した可能性があるコンテンツはアプリ上には見つからなかったと説明。一方、アプリ上で「自殺教唆」行為があった可能性についての捜査に協力していると明らかにした。

 イタリアの全国紙レプブリカ(La Repubblica)によると、少女の妹は両親に、少女が「失神ゲームをしていた」と伝えた。父親は同紙に「私たちは何も知らなかった」と語った。

 データ保護局は昨年12月、「未成年者の保護に対する配慮が欠如」しているとしてティックトックを提訴。幼い子どもも簡単にアプリを利用できると批判していた。

 少女の死はイタリアで強い反発を招き、SNS(交流サイト)の規制改革を求める声が高まっている。(c)AFP