【1月17日 AFP】米国で16日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下で最後となる連邦レベルでの死刑が執行された。複数のメディアが伝えた。

【動画】世界における死刑執行方法

 死刑に反対するジョー・バイデン(Joe Biden)氏との政権交代まで1週間を切る中、トランプ政権による死刑執行は13人となった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、黒人のダスティン・ヒッグス(Dustin Higgs)死刑囚(48)は、中西部インディアナ州テレホート(Terre Haute)の刑務所で、薬物注射により刑を執行された。

 ヒッグス死刑囚は1996年1月、友人2人と共に若い女性3人を首都ワシントン近郊の自宅アパートに連れて行った。うち一人の女性に誘いを断られたため、3人を家まで車で送るふりをして連邦自然保護区に行った。

 司法省によると、ヒッグス死刑囚は友人の一人に3人を撃つよう命じたという。同死刑囚は2000年、誘拐と殺人の罪で死刑判決を言い渡された。一方、実行犯の友人は終身刑となった。

 ヒッグス死刑囚は新型コロナウイルスに感染し、肺に損傷があったため、刑執行の際に注射される薬物が激しい苦痛を引き起こす可能性があるとして、刑の執行が停止された。だが、連邦最高裁が執行を認め、その数時間後に刑が執行された。

 トランプ政権は昨年7月、17年ぶりに連邦レベルでの死刑執行を再開して以来、異例のペースで執行を進めている。再開してからの死刑執行は13人に上っている。この中には、12日に女性として約70年ぶりに連邦レベルでの死刑が執行されたリサ・モンゴメリー(Lisa Montgomery)死刑囚が含まれている。(c)AFP