【1月16日 AFP】(写真追加)より良い生活を求めてホンジュラスから米国に向け北上した少なくとも4500人の移民集団(キャラバン)が15日夜、グアテマラに入った。現地のAFP特派員が明らかにした。国境警備隊は移民らを妨害しなかったという。

 この人数は、グアテマラ国境沿いの町エルフロリド(El Florido)の警察当局が推計したもの。キャラバンの中に子連れの家族が多くいたため、警察は移民らを通したという。

 移民らは、貧困や失業、ギャングや麻薬組織による暴力の他、昨年11月に上陸したハリケーンなどの被害から逃れるため、グアテマラとメキシコを経由し、数千キロもの距離を歩いて米国を目指そうとしている。

 長きにわたって厳しい反移民政策を掲げたドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が終わることで、移民たちはジョー・バイデン(Joe Biden)次期政権下でのより良い生活を期待している。

 キャラバンは14日にホンジュラスを出発。米当局はすでにキャラバンに対し警告を発しており、移民の多くにとってこの移動は悲しい結末になるとみられる。

 バイデン氏は「公正で人道的な移民制度」を約束し、中米の人々を米国へ向かわせる根本的原因となっている貧困と暴力の問題に取り組むと表明している。

 しかし米税関・国境警備局(CBP)のマーク・モーガン(Mark Morgan)局長代行は先週の発表で、キャラバンに「時間と金を無駄に」しないよう警告。「法の支配と公衆衛生」に関する米国の取り組みが政権交代によって影響を受けることはないと述べた。

 ホンジュラスからは2018年10月以降、ときに数千人の移民が参加するキャラバンが多数出発している。

 しかしいずれも、トランプ氏の命令で配備された数千人規模の米国境警備隊員や兵士らに行く手を阻まれた。トランプ氏はメキシコから到着した移民について、麻薬などの犯罪を米国に持ち込む「レイプ犯」だと述べていた。

 メキシコ当局は14日夜、キャラバンの到着を見込んで出入国審査官500人をグアテマラ国境に動員したと明らかにした。(c)AFP