【1月15日 AFP】メキシコ検察当局は14日、麻薬取引とマネーロンダリング(資金洗浄)の疑いで昨年10月に米国で身柄を拘束されたものの、メキシコ国内での捜査のため帰国していたサルバドル・シエンフエゴス(Salvador Cienfuegos)前国防相を不起訴とした。

 検察当局はシエンフエゴス前国防相について「米当局の捜査を受けた犯罪組織の構成員らと会ったことは一度もなかった」とする結論を明かし、不起訴処分にしたと発表した。

 シエンフエゴス前国防相は昨年10月、「数千キロ」のコカイン、ヘロイン、メタンフェタミン、マリフアナの製造と流通に関与したとされ、米ロサンゼルスの空港で身柄を拘束されていた。

 これにより両国間の緊張が高まり、メキシコからの外交圧力を受けた米司法省は、メキシコが独自に捜査し必要に応じて訴追するため同前国防相を釈放するよう、ニューヨークの判事に異例の要請を行っていた。

「ザ・ゴッドファーザー」の異名で知られるシエンフエゴス前国防相は容疑を否定していたものの、米国内で有罪となれば終身刑に処される可能性があった。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS