【1月12日 Xinhua News】中国の古生物学者はこのほど、江西省(Jiangxi)贛州市(Ganzhou)で出土した恐竜化石の研究を通じ、卵を温める「抱卵」状態の小型恐竜オビラプトルの化石を発見した。成体と胚(はい)、巣が残る化石は世界でも珍しいという。

 化石は約7千万年前の地層から見つかった。成体は体長約2メートルで、前足を後ろに広げて巣に覆いかぶさり、後足は体の下に折り畳んで全身を巣の真ん中に置いていた。現代の鳥類が抱卵する姿勢とほぼ一致するという。巣には卵が24個あり、円を描くように3層に重なっていた。

 論文の筆頭著者、雲南大学(Yunnan University)古生物研究院の畢順東(Bi Shundong)教授は「化石はオビラプトルが巣の上にうずくまって抱卵していたことを示すものだが、それ以上に重要なのは、巣の中にふ化している胎子が残されていたことだ。オビラプトルの抱卵行動と孵化方法を知る上での最新の証拠になる」と語った。

 オビラプトルは獣脚類の恐竜で、1億2500万年~6600万年前に生息していた。これまでにもモンゴルや中国内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)のゴビ地区で、巣の上にうずくまるオビラプトルの個体化石が見つかったことはあるが、胎子の化石は見つかっていなかったため、抱卵行動の仮説は長い間議論の的になってきた。

 今回の研究成果は、雲南大学や中国科学院古脊椎動物・古人類研究所などの共同研究によってまとめられ、科学誌「Chinese Science Bulletin」にオンライン掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News