【1月5日 AFP】サウジアラビアが、カタールに対する国境と空域を再度開放すると、米国とクウェートの当局が4日、明らかにした。サウジアラビアが同盟国を率いて進めてきたカタールとの断交が終了に向かって大きく前進した。

 クウェートのアハマド・ナーセル・ムハンマド・サバハ(Ahmad Nasser Al-Sabah)外相は国営テレビで、国境開放の合意はクウェートのナワフ・アフマド・サバハ(Nawaf al-Ahmad Al-Sabah)首長の提案に基づくもので、サウジアラビアとカタールの断交について繰り返し仲介役を務めてきたクウェートの努力を反映しているとした。

 サウジアラビアは、カタールがイランと非常に親密で、イスラム教過激派を支援しているとして、湾岸諸国の同盟を率いて2017年6月にカタール断交に踏み切った。一方カタールは、サウジの主張する内容を否定し続けている。

 米国は、宿敵イランを孤立させるには湾岸諸国の結束が必要と強調。カタールが「封鎖」と呼ぶ措置を解消するよう圧力を強めていた。

 突然の発表は、アラブ6か国で構成する湾岸協力会議(GCC)首脳会議の前日に行われた。GCC首脳会議は5日、サウジアラビア北西部ウラー(al-Ula)で開かれる。

 3年半に及ぶ断交が解決へ向かうその他の兆候として、カタールのタミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)首長の事務局は、過去3年にわたって同首脳会議を欠席していたサーニ首長が同首脳会議に出席するだろうと述べた。

しかし、地域研究アナリストのマイケル・スティーブンス(Michael Stephens)氏は、カタールと同地域のライバル国間の広範囲にわたる断裂を埋めるにはさらなる努力が必要と述べ、何か正式な合意が得られたのか疑問が残るとしている。

 スティーブンス氏はAFPに対し「それでも、前向きな知らせだ。大きな、そして重要な最初の一歩だ」と語った。(c)AFP/Salima Lebel with Gregory Walton in Doha