【12月29日 AFP】欧州連合(EU)加盟各国で新型コロナウイルスワクチンの接種が始まる中、スペインの保健省は28日、米製薬大手ファイザー(Pfizer)と独製薬ベンチャーのビオンテック(BioNTech)が共同開発したワクチンの配送に遅れが出たと明かした。遅延が出たのは、同国をはじめとする欧州内の8か国だという。

 同省は、ファイザーのスペイン支社から27日夜、在ベルギーの工場で「荷積みと発送の過程で問題」が生じたために配送が遅れるとの通知を受けたと説明。ただし、スペイン以外に遅延が出た7か国の国名は明かしていない。

 サルバドール・イジャ(Salvador Illa)保健相は、ラジオ局カデナ・セル(Cadena Ser)のインタビューで今回の遅延について、問題は発送時の温度管理に関連するもので、その後「解決されたようだ」と述べた。

 ファイザー関係者は、「物流上の軽微な問題により、一部の配送の予定を変更した」「この物流上の問題は解消されており、これらの配送分は現在出荷中だ。報告すべき製造上の問題はない」としている。

 ファイザーとビオンテックのワクチンは出荷前、マイナス70度前後という超低温で保存する必要があり、配送時にはドライアイスで満たされた特別仕様の保冷ボックスに入れなければならない。超低温保存を終えた後、2~8度で保管すれば最大5日間は有効性が維持される。

 EU加盟各国で同ワクチンの接種が始まっており、まず高齢者や医療従事者、政治家らが接種を受けている。(c)AFP