【12月31日 AFP】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響を大きく受けた2020年のスポーツ界について、AFPが印象に残る出来事を10個ピックアップした。

■バイエルンのチャンピオンズリーグ制覇

 昨季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-2020)は、新型ウイルスの影響で決勝トーナメント中に一時中断し、準々決勝以降はポルトガルのリスボンで、ミニトーナメントとして再開された。

 そして、再開時点からバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が最強なのは明らかだった。結局、ハンジ・フリック(Hansi Flick)監督率いるチームは順当に勝ち上がると、決勝ではキングスレイ・コマン(Kingsley Coman)のゴールでパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)を撃破し、クラブ通算6回目の欧州制覇を成し遂げた。

■シューマッハ氏に並んだハミルトン

 ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏がフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)を去ったとき、ほとんどの人は、彼のグランプリ91勝、総合優勝7回の記録は二度と破られないだろうと考えた。

 ところが2020年、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)はそれをやってのけた。ハミルトンは全17レース中11レースで優勝してシューマッハ氏を上回る95勝まで優勝回数を伸ばし、年間タイトルの数では同氏の七つに並んだ。メルセデスの飛び抜けて優れたマシンの恩恵を受けたのは間違いないが、それでもハミルトンは、名F1ドライバーの一人として、しっかりと歴史に名前を刻んだ。

■ジョコビッチ失格

 9月に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)では、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)が不在の中、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が自身18回目となる四大大会(グランドスラム)制覇を照準に入れて大会に臨んだ。

 ところが、2020年無敗のまま4回戦のパブロ・カレーニョ・ブスタ(Pablo Carreno-Busta、スペイン)戦を迎えたところで異変が起こった。サービスゲームを落としたジョコビッチがいら立ちまかせにボールを打つと、これが女性線審の喉元を直撃。ジョコビッチはすぐに謝罪したが、長い審議を経て失格の判定が下された。

 これで絶対的な優勝候補がいなくなった大会は、最終的にドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)がグランドスラム初優勝を飾るという形で幕を閉じた。

■ナダルの全仏V13

 全米オープンは見送ったナダルだが、自身の代名詞とも言える全仏オープンテニス(French Open 2020)出場を諦めるはずはなかった。

 今年の全仏は、伝統の5月~6月から寒風吹きすさぶ9月~10月にずらして開催された。それでもナダルは1セットも落とさず、予想通りに決勝へ勝ち上がると、最後は全米の雪辱を期すジョコビッチを6-0、6-2、7-5で一方的に撃破。自身13個目の全仏のタイトルと、フェデラーに並ぶグランドスラム最多タイ20勝の記録を手に入れた。

■ポーランド初のGS覇者に輝いたシフィオンテク

 全仏オープンの女子シングルスでは、19歳のイガ・シフィオンテク(Iga Swiatek、ポーランド)が決勝でソフィア・ケニン(Sofia Kenin、米国)を破り、ポーランドの選手としては初となるグランドスラム制覇を達成した。

 大会開始時点で54位だった世界ランキングも、終了後には17位にまで上昇し、本人にとっても驚くような2週間になった。世界1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)らが欠場し、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が負傷で早期敗退する好材料にも恵まれながら、シフィオンテクは1992年のモニカ・セレシュ(Monica Seles)氏以降では最年少の全仏女王となった。