【12月21日 AFP】ナイジェリア北部で軍と民間の車列がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装集団に相次ぎ襲われ、兵士5人が死亡、民間人35人が拉致された。軍情報筋が20日、明らかにした。

 軍の車列は19日、北東部ボルノ(Borno)州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)の北方44キロにある町の郊外で襲撃を受けた。また、18日には物資を運んでいた民間の車列が、マイドゥグリから25キロ離れた村の外で襲撃に遭い、女性1人が死亡、35人が拉致された。

 ナイジェリア北東部ではここ数週間、イスラム過激派による襲撃や拉致事件が増加している。一方、北西部では盗賊団による同様の襲撃が増えている。

 専門家は、イスラム過激派が北西部の盗賊団と手を組もうとしていると警鐘を鳴らす。北西部地方ではこの10年間、こうした盗賊団が村々を襲っては牛を盗み、身代金目的で住民をさらい、略奪をはたらいては民家を焼き払うなど、人々を恐怖に陥れてきた。

 治安当局は、北西部カツィナ(Katsina)州カンカラ(Kankara)で学校の寮が襲撃され男子生徒数百人が拉致された先日の事件も、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が北西部の盗賊団を雇って実行させたものだとの見方を示している。(c)AFP