【12月19日 AFP】英大学の研究者グループは18日、脳への深刻な損傷を防ぐために少年ラグビーのタックルを禁止すべきだとし、この問題に関して政府の介入を呼び掛けた。

 ラグビー界では、脳振とうに関連した健康問題の対策を怠っているとして、元選手が複数の競技団体を相手取り、訴訟に踏み切る計画を立てている。

 オックスフォード・ブルックス大学(Oxford Brookes University)、ニューカッスル大学(Newcastle University)、ウィンチェスター大学(University of Winchester)の研究者は、英国の首席医務官4人全員に宛てた公開書簡で学齢児童のタックルをやめさせるように提言した。

「青少年スポーツにおけるけがや外傷性脳損傷(TBI)の問題は、ラグビーユニオンやラグビーリーグを含めて国際的な問題に発展している」と訴え、米国や英国では子どもたちにサッカーのヘディングを禁止または制限する取り組みが行われていることも指摘した。

 書簡ではイングランドラグビー協会(RFU)の調査にも触れられ、接触なしの時と比較した際に接触ありのラグビーで得られる「明確な身体の健康上の利益」を示す証拠が不足した内容だと主張した。

「18歳未満の選手が特に振とう性のけがに弱いのは、若者の脳の成熟度や神経生理学的な状態から現在では立証されている」「学校を含む子どものラグビーの規則をRFUが定める状況を続けてはならない」

「少年ラグビーで子どもたちをタックルから守る取り組みをせず、競技団体に物事を決めさせたり情報収集させたりするのを許していることによって、英政府が子どもたちを大きなリスクにさらしているのを懸念している」 (c)AFP