【12月4日 AFP】中国の無人月面探査機「嫦娥5号(Chang'e-5)」が3日、月の土壌を採取し月面から離陸し、地球への帰途についた。月の土壌を地球に持ち帰ることに成功すれば世界で約40年ぶりとなる。

 中国神話の月の女神にちなんで命名された嫦娥5号は11月24日、同国南部・海南(Hainan)省から打ち上げられた。同国政府は、軍が運営する宇宙開発計画に巨額の資金をつぎ込んでおり、2022年までに有人宇宙ステーションを運用し、将来的に有人月面探査を行うことを目指している。

 国営・中国中央テレビ(CCTV)は嫦娥5号が午後11時10分(日本時間4日午前0時10分)に月面を離陸したと報道。コントロール画面にくぎ付けになっていたエンジニアから大きな拍手が湧き起こった。中国国家航天局(CNSA)によると、月の石と土壌を運ぶモジュールが、強力な推力エンジンを作動させて軌道に乗ったという。

 研究者らはサンプルから月の起源や形成、月面の火山活動について学ぶことを期待している。サンプルを持ち帰ることに成功すれば、1960年~1970年代の米国と旧ソ連に続き、中国は世界で3番目に月の土壌サンプルを地球に持ち帰る国となる。(c)AFP