【11月30日 AFP】オーストラリア東海岸沖にある世界遺産(World Heritage)のフレーザー島(Fraser Island)で、大規模な森林火災が発生し、30日までに島の総面積の4割に被害をもたらしている。島のあるクイーンズランド(Queensland)州は熱波に見舞われており、消火活動は難航している。

 フレーザー島は世界最大の砂島で、豪在来種の野生犬ディンゴが多く生息することで知られる。熱帯雨林や砂丘湖、日々変化する複雑な砂丘の様子などが評価され、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産に登録された。

 島では6週間以上も森林火災が続いており、他に類を見ない貴重な森林が広範囲にわたって炎にのみ込まれている。気象予報ではクイーンズランド一帯を30日に熱波が襲い、最高気温は34度に達するとみられることから、火の勢いがさらに増す恐れがある。

 州公園・野生動物当局によると、火の手は2か所で広がり、これまでに島の総面積の42%に相当する7万4000ヘクタールが焼けた。

 隣接するニューサウスウェールズ(New South Wales)州でも30日、50か所以上で森林火災が確認された。同州の州都で豪最大都市のシドニーでは週末、熱波により日中の最高気温40度超を記録。28日夜~29日朝の最低気温は25.3度と、観測史上最も暑い11月の夜となった。(c)AFP/Holly ROBERTSON