【11月30日 AFP】サッカー元アルゼンチン代表のレジェンド、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏の死について、警察が捜査を行っている件で、過失致死の疑いをかけられている主治医のレオポルド・ルケ(Leopoldo Luque)医師が、できることは全てやったと涙ながらに訴えた。

 マラドーナ氏は25日、心臓発作によって60歳でこの世を去り、翌日に首都ブエノスアイレス郊外の墓地に埋葬されたが、29日になって同市郊外サンイシドロ(San Isidro)の検察が、ルケ医師を捜査していると発表した。

 これを受け、医師も同日中に会見を開き、「不可能に近いことまで、手は尽くした」と訴え、マラドーナ氏は「友人」であり、「患者ではなく父親」だと思っていたと話した。そして「本来ならリハビリセンターへ行くべきだったが、本人が嫌がった」と明かし、マラドーナ氏を「扱いが難しい」人物と呼んだ。

 ルケ医師は、心臓発作用の除細動器がマラドーナ氏の家になかったことを問題視し、自宅でのケアは自身の責任ではないと明言した。

「私は神経外科医だ」「そして彼の担当医であり、自分のやった全てに誇りを持っている。隠すようなことは何もない。私は正義に従う人間だ」

 マラドーナ氏の代理人は、連絡を受けてから救急車が到着するのに30分以上もかかったとされることを捜査すべきだと訴えており、ルケ医師も救急車を近くに止めておくべきだったと主張している。

「精神科医は、救急車を自宅前に常時待機させておくべきだと言っていたが、実際にはその場にいなかった。誰がその事実の責任者かは、私には分かりかねる」 (c)AFP