【11月29日 AFP】米国の原子力空母ニミッツ(USS Nimitz)がペルシャ湾(Persian Gulf)に展開していることについて、米海軍第5艦隊(US 5th Fleet)の報道官は28日、イランの核科学者モフセン・ファクリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)氏の暗殺に関連した何らかの「脅威」に対応するためではないと表明した。

 ファクリザデ氏が27日に暗殺されたことを受け、同地域の緊張は非常に高まっている。犯行声明は出されていないが、イランは、米国との関係が深いイスラエルの関与を指摘している。

 しかし第5艦隊のレベッカ・レバリッチ(Rebecca Rebarich)報道官はAFPに対し、ニミッツを中心とする空母打撃群が25日にペルシャ湾に戻ったのは「特定の脅威」に関係しているわけではなく、「地域の安定と安全を守る態勢を保つためCENTCOM(米中央軍)の能力を維持することに重点を置いている」と述べた。

 米国防総省はこれに先立ち、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の命令を受けて来年1月中旬までにイラクとアフガニスタンから多数の部隊が撤退する中で、ニミッツの空母打撃群が戦闘支援や航空支援を提供すると明らかにしていた。

 アフガニスタンからは米駐留部隊の約2000人が、イラクからは約500人が撤退し、両国にはそれぞれ約2500人が残ることになっている。(c)AFP