【11月28日 AFP】8ラウンドのエキシビションマッチでボクシング復帰を果たすマイク・タイソン(Mike Tyson、米国)氏は27日、54歳の元ヘビー級王者として、51歳のロイ・ジョーンズJr(Roy Jones Jr、米国)氏とリングに上がる日がくるとは想像もしていなかったと明かした。

 2005年にケビン・マクブライド(Kevin McBride、アイルランド)氏に敗れて現役を引退してから15年が経過したタイソン氏は、100ポンド(約45キロ)減量して練習を再開し、競技復帰を果たす。

 この日は米ロサンゼルスでのファイトを翌日に控えて記者会見に臨み、「これほど長く生きるとは思っていなかった。競技生活はかなり激しかった」「自分がただ存在しているというだけで、成功だと言える」と話すと、キャリアを終えて15年後にボクシングへの渇望が戻ってきたと明かした。

「引退後は自分が誰だったのか分からない。今の自分にはとても満足している」「前のファイトには何の興味もない。関心があるのは今だ」

 現役時代の通算戦績が50勝(44KO)6敗のタイソン氏は、同66勝(47KO)9敗のジョーンズJr氏には試合開始から攻めていく戦略だといい、「とにかくゴングと共に相手に向かっていき、それで様子をみる」「見応えがある試合になる。彼はファイターであり俺もそうだ。お互いにパンチを放つためにそこにいる。何が起きても不思議じゃない」と語った。

 一方、2018年にクルーザー級のスコット・シグモン(Scott Sigmon、米国)に勝利を収めたのが現役最後の一戦となっているジョーンズJr氏は、タイソン氏の中にどれほど「鉄人マイク」が残っているか時間をかけて見ていく作戦を立てており、「早めに攻略法を見定めていきたい。向こうの懐に入ったらかなり危険だ」と話した。

「彼はこっちのコンビネーションを分かっているが、スピードや速度は別だ。俺がどれだけ打てるか分かっていないだろう」「互いに相手を打ちのめすつもりだ」

 タイソン氏はどれだけハードにパンチを打てるか聞かれると、「見ていけば分かる」と回答。ジョーンズJr氏の素早い攻めに適応する準備については、「プランBでいく。打ち返してやるよ」と意気込んだ。(c)AFP