【11月26日 AFP】韓国・ソウル中央地裁は26日、女性や未成年の少女らを脅迫して性的な動画を撮影させ、メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」に開設した有料チャットルームで配信していた悪名高い性犯罪グループの主犯格、チョ・ジュビン(Cho Ju-bin)被告に懲役40年の判決を下した。

 大学を卒業したチョ被告は、2019年5月から今年2月までグループを運営し、未成年16人を含む74人を脅迫したとされる。

 聯合(Yonhap)ニュースによると裁判官は、「被告は多くの被害者をおびき寄せて脅迫することで性的虐待コンテンツを作成し、拡散させた」と指摘。「取り返しのつかない被害」をもたらしたと非難した上で、犯罪の深刻さや被害者の多さ、被告らのグループによる損害の範囲を考慮し、「長期間にわたり社会から隔離しなければならない」と判断した。

 ただ、量刑は検察側が求刑していた無期懲役には及ばなかった。

 この事件では、チョ被告のチャットルーム運営に関与したとして5人が起訴され、懲役7~15年の判決を受けている。

 この事件は、韓国のデジタル性犯罪の深刻さをめぐる国民的な議論を再燃させた。韓国はあらゆるモノや人がインターネットでつながった「ハイパーコネクテッド社会」で、性的コンテンツの違法共有が大きな問題となっている一方、当局の取り締まりが甘いことが批判されている。

 韓国政府は昨年、違法共有されているコンテンツを摘発・削除する24時間体制の監視機関を立ち上げた。(c)AFP