【11月26日 People’s Daily】上海では、この秋も「輸入博覧会の季節」になった。

 食品や農産品の展示区にはおいしそうな匂いが漂い、技術設備展示区ではロボットが踊り、医療機械・医薬保健展示区では体験希望者が長蛇の列をつくった。第3回輸入博覧会の初日、会場は熱気に溢(あふ)れ、安全で精彩ある、生産的な博覧会となった。

「ここは安全です。安心して参加できます」。11月5日午前8時、日系企業丸紅中国会社開発部の山田源基(Genki Yamada)部長は展示品を並べ、顧客を待っていた。

 今回の輸入博覧会は特殊な時期に開催され、このような世界的貿易イベントでは人の流れの規模か予想できず、安全の確保が懸念された。しかし上海に着くと、心配は霧散したという。

 会場では安全検査や顔認証、ICチップ認証が同時に行われ、体温とPCR検査結果などの情報が即開示され、検査が滞ることは全くない。展示館内は、消毒ウエットティッシュなどの衛生用品や、医者が常駐する医務スペースが設置された。

 植物肉や腫瘍の電気化学療法など、博覧会初日には、多くの新製品・新技術・新サービスが世界初公開となり、人々を引き寄せた。

 博覧会初日、浙江長竜航空が大口の取引6.36億ドル(約663億円)を成立させ、4台の予備エンジンと38台のエンジンのメンテナンスサービスを手に入れた。

「輸入博覧会はわれわれの産業の転換とアップグレードを推し進めるものです。伝統的航空会社から総合サービスプロバイダーたる民間航空への転換を行い、産業チェーンを絶え間なく延ばすのです」。長竜航空の劉後宏(Liu Houhong)会長は語った。

 今回の博覧会は販売促進効果も生産性も高く、国内のバイヤーも国外の参加者も興奮を隠せない様子であった。

 とあるトラックには人も品物も乗せていないが、各種計測機器が置かれ、どこでも疾病検査ができる。医療機器展示区のアストラゼネカブースでは、この移動検査車が注目を浴びた。

「検査車は小さな町や村の病院に行って、良質な診療技術を多くの人々に届けることができます」。アストラゼネカ中国部門の王磊(Wang Lei)総裁は説明する。「中国は社会の下層部への医療投資を拡大しています。中国の市場は巨大ですし、輸入博覧会を通して、より多くの医療健康産業の未来が現実になると確信できます」。目下、アストラゼネカの契約交易額は90億元(約1400億円)近くにのぼっている。(c)People's Daily/AFPBB News