【11月25日 AFP】ニュージーランド東岸沖のチャタム諸島(Chatham Islands)にゴンドウクジラの大群が漂着し、これまでに100頭近くが死んだことが分かった。自然保護当局が25日、明らかにした。

 クジラのほとんどは週末にかけて漂着したが、チャタム諸島は南島(South Island)から東に約800キロ離れているため、救助活動が難航したと環境保全局(DOC)が報告した。

 DOCの生物多様性保護を担当するジェマ・ウェルチ(Jemma Welch)氏によると、救助隊が現場に到着するまでにすでに69頭が死んでいたという。

 ウェルチ氏は、23日に後から漂着した2頭を含むゴンドウクジラ28頭とイルカ3頭を安楽死させたと述べた。

「海が荒れており、こうした漂着に引き寄せられてきたホホジロザメが海中にいる可能性が高いこと」を踏まえて安楽死させざるを得なかったという。

 ウェルチ氏によると、現地の先住民マオリ(Maori)の人々がクジラの魂に祈りをささげる儀式を行った。クジラの死骸は現場に放置され自然に返される。

 チャタム諸島は、記録が残る中ではニュージーランド史上最大のクジラの漂着が起きた場所で、1918年に約1000頭が打ち上げられた。(c)AFP